おすすめの蓄電池メーカー5選
蓄電池は、文字通り電気を蓄えておける装置です。太陽光発電が増加するにつれ蓄電池の販売数も増えていきました。そうなると、どの会社の蓄電池を選ぶべきか迷ってしまうかもしれません。今回は業界でも実績を積み重ねてきたシャープ、パナソニック、ニチコン、ダイヤゼブラ、オムロンの5社を取り上げて特徴を解説します。
シャープ
シャープは国内蓄電池シェアトップクラスのメーカーです。シャープの蓄電池はAIを活用したCOCORO ENERGYを搭載しており、自動で運転を調節してくれます。日射量の予報値や発電データ、生活パターンなどから蓄える電力量などを自動調整してくれます。
太陽光発電と組み合わせやすいというのもシャープのメリットです。シャープの太陽光発電設置数は85万件です。これは、既存の設置数の3分の1に相当します。太陽光発電装置と蓄電池、HEMSの全てをセットでシャープ製にすることで機能や保証、サービスなどが充実します。
停電時に役立つのが先ほど紹介したCOCORO ENERGYです。停電リスクが高くなるような気象警報と連携し、警報発令時に自動で充電します。停電は地震などの大規模災害だけではなく、落雷などでも発生するので、それほど珍しいことではありません。蓄電池があれば停電が起きたときでも安心です。
ちなみに、停電時には蓄電池から自動で電気が供給されるようになるので、その点でも安心です。また、COCORO ENERGYは使えば使うほど賢くなるという特徴があります。COCORO ENERGYは新しい機能が追加されると、自動的に自宅の蓄電池もバージョンアップしてくれます。
パナソニック
パナソニックは日本屈指の電機メーカーであり、太陽光発電や蓄電池の分野でもトップクラスのシェアを持っている企業です。パナソニックの電池事業の歴史は古く、戦前から開発していました。
パナソニックの特徴はラインナップが豊富なことや高い信頼性、充実した長期保証の3つですが、最大の特徴は太陽光発電と組み合わせた創蓄連携システムです。創蓄連携システムは太陽光発電と蓄電池を連携させて効率よく電気を活用する仕組みのことです。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせると、電流を変換するためのパワーコンディショナーが2台必要となり、その分だけ電力ロスが発生していました。創蓄連携システムの太陽光パネルで発電した電力は、パワーコンディショナーを通じて蓄電池に貯められます。
このとき、発電した時の直流電流を交流に変換することなく蓄電池に貯められる仕組みであるため、電力の変換ロスが少なく、発電した電気を有効利用できます。
蓄電池を上手に使えれば、自宅で使用する電力のほとんどを自家発電でまかなえるようになり、電気代を安くできるかもしれません。また、曇りの日など天候不順で発電量が不足するときは、晴れている日に蓄電池に貯めた電力を使えるため、リスク管理としても効果があります。
蓄電池単体のリチウムイオン蓄電システム「スタンドアロンタイプ」もあります。台風や地震などの自然災害や落雷による停電リスクに対応するため、非常用のバックアップとして蓄電池を活用する場合はスタンドアロンタイプで十分です。
ニチコン
ニチコンは、家庭用蓄電システムの累計販売台数が国内ナンバー1のメーカーです。累計販売台数が多いのは、それだけ多くの購入者を満足させてきたからといえるでしょう。
ニチコンの蓄電池は、トライブリッド蓄電システムとハイブリッド蓄電システム、単機能蓄電システムの3種類です。トライブリッド蓄電システムは太陽光発電と蓄電池、電気自動車の3つを組み合わせた仕組みのことで、電力の自給自足を目指せます。ハイブリッド蓄電システムは太陽光発電と蓄電池を組み合わせた仕組みのことです。
蓄電池の性能が高いのもニチコンのメリットです。ニチコン蓄電池の最大容量は16.6kWhです。エアコンを21時間使用すると6.3kWh、冷蔵庫を24時間使用すると1.2kWhの電力を使用します。単純に、冷蔵庫の消費電力量だけで計算してみると充電なしで2週間近く稼働できます。
蓄電池には一部分だけに電気を供給する特定負荷タイプと、全ての部屋に電力を供給する前負荷タイプがあります。ニチコンの蓄電池は全負荷タイプです。
家中どこでも電気が使用できるので安心です。さらに、200Vにも対応しているのでIH調理機やエアコン、床暖房などの電化製品も停電中に動かせます。オール電化住宅で停電すると家の機能が止まってしまうような家庭では、蓄電池は必須の装置といってよいでしょう。
ダイヤゼブラ
ダイヤゼブラ電機は大阪市にある電気機器メーカーで、以前の社名を田淵電機株式会社といいます。現社名に変更されたのは2021年からなので、旧社名の方がよく知られているかもしれません。
ダイヤゼブラの蓄電池には、リン酸鉄リチウムを採用しています。広く用いられているリチウムイオンに比べると寿命の長さや安全性において勝っています。リチウムイオンと比べるとリン酸鉄リチウムはフル充電で繰り返し使える回数であるサイクル回数がかなり多くなります。
つまり、充放電できる回数が多く寿命が長いのです。リチウムイオンが220℃以上で熱分解してしまうのに対し、リン酸鉄リチウムは600度まで耐えられます。
その反面、電池として加工するのに手間がかかってしまうため、価格が高くなりがちです。初期費用が高くても長期間使いたいのであれば、ダイヤゼブラの蓄電池は有力な選択肢となるでしょう。
ダイヤゼブラの主力機種はEIBS7(以下、アイビス7)です。アイビス7には4つの運転モードが搭載されています。夜間に蓄電するスマートモードや太陽光発電と組み合わせて電力自給率を高める節エネモード、売電を優先するノーマルモード、非常時に備えて蓄電を最優先する蓄電モードの4つです。
ライフスタイルの変化に応じて、家族にとってその時々に必要なモードを選択できるのが魅力です。
オムロン
オムロンは、幅広い分野で事業を展開している国際的な大企業です。制御機器事業やヘルスケア事業、電子部品事業に加え蓄電池も手掛けています。
オムロン蓄電池の特徴は、ライフスタイルによって蓄電池の種類や組み合わせを選択できることです。
蓄電池単体で導入するなら単機能蓄電システム、太陽光発電とセットで稼働させるならハイブリッド蓄電システム、停電時に全ての部屋の電化製品を動かしたいなら全負荷対応型ハイブリッド蓄電システムというように、自分の要望に応じて蓄電池のタイプを選択できます。
蓄電容量は屋外設置の12.7kWhタイプと6.3kWhタイプ、屋内・屋外の両方に設置できる6.5kWh、9.8kWh、16.4kWhの3タイプから選択可能です。停電中も普段通りで生活したいのであれば全負荷対応型ハイブリッド蓄電システムで、容量が大きい12.7kWhタイプを選択するとよいでしょう。
コストパフォーマンスを重視するなら、既設の太陽光発電システムと単機能蓄電システムを組み合わせるという方法があります。
環境にやさしい生活を志向するのであれば、ハイブリッド蓄電システムと最大容量の16.4kWhタイプの蓄電池を組み合わせて、できるだけ電力会社から電力を買わない仕組みを作ることもできます。
このように、自分が目指すライフスタイルに応じて蓄電システムを選べるのがオムロンの強みです。
まとめ
今回はシャープ、パナソニック、ニチコン、ダイヤゼブラ、オムロン各社の蓄電池の特徴を解説しました。どの企業も国内上位の蓄電池メーカーであり、高い性能を持った蓄電池を販売しています。
どの製品を選ぶかは予算や要望によって決めるかと思いますが、自分がどのような生活スタイルをしたいかを念頭に入れ、専門家のアドバイスを聞きながら設置するのがよいのではないでしょうか。