太陽光パネルの交換にかかる費用はどのくらい?

太陽光発電設備を長年利用していると、太陽光パネルや周辺設備が故障してしまうこともあるでしょう。修理で直せる場合もありますが、いわゆる「寿命」が来てしまい、交換が必要になることもあるでしょう。そこで本記事では、太陽光パネルの交換にかかる費用や、設備の寿命について詳しく紹介します。
太陽光パネルの交換にかかる費用
太陽光パネルの交換費用については、設置容量あたりの単価(kW単価)を基準に考えることで、適正な価格を判断しやすいです。近年の市場相場では、10kW以上の産業用システムで1kWあたり約23.6万円、住宅用システムでは約26.7万円が平均的な費用とされています。
この価格になった背景としては、かつてのFIT(固定価格買取制度)開始当初と比べて大幅に低下していることがあります。実際の費用を例に挙げると、10kWのシステムを新たに導入または交換する場合、23.6万円×10kWで約236万円が目安です。
以前よりもコストは抑えられる傾向にあるものの、設置環境や工事内容、使用するパネルの種類などによって総額は変動します。そのため、複数の業者に見積もりを依頼し、相場を把握したうえで費用対効果を検討することが重要です。
太陽光パネルと周辺設備の寿命
太陽光発電システムを長期的かつ効率的に運用するためには、太陽光パネルや周辺機器の特徴と寿命を正しく理解し、計画的なメンテナンスを行うことが欠かせません。
太陽光パネルの寿命
太陽光パネルは、温度変化や湿度、紫外線、風雨、積雪などの環境要因によって少しずつ劣化し、発電効率が低下していきます。一般的にパネルの期待寿命は20〜30年とされ、多くのメーカーが25年前後の出力保証を設けています。
設置環境にも左右されますが、平均的な劣化率は年間約0.5%といわれ、適切な点検と清掃を行うことで性能をより長く維持することが可能です。また、太陽光発電設備には「法定耐用年数」があり、税務上の減価償却を行う際の基準として17年間と定められています。
これは設備の実際の寿命とは異なり、会計処理上、設備導入にかかった費用を17年に分けて経費計上する必要があるというものです。中古設備を取得する場合には、使用年数に応じて異なる耐用年数を適用する必要があり、経営上の重要な判断要素となります。
設備の中でも「パワコン」の寿命が特に短い
太陽光発電システムの中でも特に寿命が短いのが「パワーコンディショナー(パワコン)」です。パワコンは太陽光パネルで発電した直流電流を、家庭や事業所で使用できる交流電流に変換する重要な機器であり、システム全体の要とも言えます。
その寿命はおよそ10年程度とされ、パネルよりも早期に交換が必要です。劣化や故障を放置すると変換効率が低下し、発電量が減少するだけでなく、最悪の場合は発電が完全に停止してしまうことも。
そのため、パワコンの状態を定期的に確認し、故障前に交換を計画的に実施することが安定運用の鍵となります。メンテナンス面では、パワコンの内部フィルターの清掃や動作点検、太陽光パネルの外観チェックやホットスポット(局部的な発熱)の確認などが求められます。
特にパワコンは内部に電子部品を多く含むため、熱やホコリの影響を受けやすく、設置環境の管理も重要です。定期的なメンテナンスを怠ると、発電効率の低下や安全性の問題につながる可能性があるため、専門業者による定期点検を実施することが推奨されます。
設備の故障は早めに直すべき
太陽光発電システムを安定的に運用するためには、設備の故障を早期に発見し修理を行うことが極めて重要です。その理由は。以下の3点に集約されます。
売却価格が下がる
まず、太陽光発電所を将来的に売却する場合、パネルやパワーコンディショナーなどに破損や不具合があると、修理費用を見込んだうえで買い手から減額される可能性が高いです。
また、買主は過去の発電データを重視しており、発電量が低下していると機器の劣化や故障を疑われることから、売却価格が下がるリスクもあります。そのため、早期の修理やメンテナンスによって発電効率を維持することが、資産価値を高めるうえで大切です。
安全面のリスク
次に、安全面でも故障の放置は大きなリスクを伴います。太陽光発電設備は高電圧を扱うため、ケーブルの被覆損傷による漏電や発火、台風などによるパネルの倒壊・破損から火災につながるケースも報告されています。
こうした事故を未然に防ぐためには、定期的な点検で異常を早期に発見し、必要に応じた修理を実施することが不可欠です。メンテナンスを怠ると安全性が損なわれるだけでなく、発電の停止によって長期的な収益にも悪影響を及ぼす可能性があります。
発電量の低下
さらに、故障は発電量の低下を招きます。たとえば、1か月前と比較して発電量が大きく減っている場合は、機器の故障や出力低下が疑われます。
こうした場合は修理業者に相談し、点検や修理を依頼することで早期に原因を突き止めることが可能です。迅速な対応によって発電効率を最大限に保ち、安定した収益を確保できます。
まとめ
太陽光発電設備は長期間にわたり安定した発電を行うために、定期的なメンテナンスと早めの修理が欠かせません。太陽光パネルの交換費用は年々下がっており、10kWシステムで約23.6万円が目安です。パネルの寿命は20〜30年、パワーコンディショナーは約10年と、それぞれ異なるため計画的な管理が必要です。故障を放置すると発電効率の低下や火災などのリスクが生じるだけでなく、将来的な売却価格にも悪影響を及ぼします。早期発見・修理を行うことで、安全性と収益性を維持し、太陽光発電をより長く有効に活用することができます。
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引用元:https://www.poppo-solar.com/
株式会社神谷サンプラスは、太陽光事業を20年以上提供し続けている会社です。
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