ソーラーカーポートの設置にはいくらかかる?安く抑える方法は?
簡易的な車庫であるカーポートの屋根に太陽光パネルを設置し、発電能力を与えたものを「ソーラーカーポート」と呼びます。ソーラーカーポートを設置すれば、車を停めるスペースで、自家発電できるため土地を有効活用できます。今回はそんなソーラーカーポートの設置費用や、コストを低く抑える方法について紹介します。
ソーラーカーポートの設置にかかる費用
ソーラーカーポートには、いくつか種類があります。代表的なものは、既存のカーポートに対して太陽光パネルを後付け設置したものと、設計時点で太陽光発電設備が組み込まれた一体型のソーラーカーポートです。
後付け式のカーポートでは、太陽光パネルの取り外しが可能なことが特徴ですが、太陽光パネルの重量への耐久性を持っていなくてはなりません。太陽光パネル1枚当たりの重量は15~20kgが一般的です。
カーポートのサイズにもよりますが、最も多く販売されている1台用のカーポートの屋根サイズは横幅2.7m×奥行5m程度です。ここに1枚当たり1.5m×1mサイズの太陽光パネルを5枚搭載した場合、75~100kgの重量がかかることになります。
カーポートの主な屋根材として、ポリカーボネートやFRP、アルミ板、スチール板、波板などが挙げられます。このうち、ポリカーボネートは紫外線カット効果がありますが、耐荷重性能が低いため太陽光パネルや架台を取り付けることが困難です。太陽パネルの後付けを検討されている場合は、屋根素材を確認することが大切です。
一体型のソーラーパネルは後付け型に比べて太陽光パネルの搭載を前提とした設計となっているため、屋根の耐荷重性が確保されており、パネルを効率よく敷き詰められます。
一方、太陽光パネルの取り外しは原則できません。ソーラーカーポートの費用は、カーポートの大きさや太陽光パネルの設置枚数、太陽光パネルの性能などによって変わります。
ソーラーカーポートの費用は台数や容量で変わる
ソーラーカーポートの費用は、ソーラーカーポートのサイズや、搭載する太陽光パネルの枚数・容量で変わります。駐車台数が2台のカーポートの場合、一体型の設置費用は200万円、後付け型だと210万円前後が相場となっています。
太陽光パネルは1枚当たりの発電量が高いものであれば、コストも高くなります。ソーラーカーポートの発電容量を決めている場合は、屋根サイズに合わせてパネル積載枚数を算出し、1枚当たりのパネルコストを割り出せます。逆に予算を固定する場合は、同様の方法で逆算することで、1枚あたりのパネルの発電容量が求まります。
ソーラーカーポートの設置費用を抑える方法
ソーラーカーポートの設置費用を抑える方法として、国や地方自治体の補助金制度を利用する方法が挙げられます。
令和4年度のソーラーカーポート導入に利用可能な補助金は、民間企業や法人を対象とした国(環境省)の出す「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」が存在します。
募集要件がいくつかあり、駐車場を利用したカーポートである・自家消費型の太陽光発電設備や蓄電池を導入する事業である・導入システムによる発電量のうち50%以上を自家消費する・パワーコンディショナの最大定格出力合計が5kW以上かつ積載率は1以上である・FIT・FIPによる売電をおこなわない・本補助金を受けることによってkWあたりの導入費用が34.88万円以下(10kW未満)・30.35万円以下(10kW以上50kW未満)・20.59万円以下(50kW以上)を満たすことが求められます。
補助率は対象経費の3分の1で、上限は1億円です。この補助金制度は2021年に開始されたばかりで、2023年度の概算要求も発表されており、今後も継続して実施される見込みです。
個人がソーラーカーポートの設置費用を抑える際は、各自治体が実施している補助金を活用します。たとえば埼玉県所沢市の「令和4年度『所沢市スマートハウス化推進補助金』【家庭用】」を例に挙げると、自らが居住する所沢市内の住宅に中古品や自作品でない太陽光発電設備と蓄電池または、蓄電池単体の導入に係る経費の一部に対して補助が得られます。
受けられる補助金は太陽光発電システムが2万円/kWで上限10万円まで、蓄電池は2万円/kWhで上限16万円となっています。要件は太陽電池設備にHEMSや蓄電池が設置されていることや、蓄電池はリチウムイオン電池で国が実施する補助事業の対象機器として環境共創イニシアチブに登録されていること、電力会社との電力受給契約を結び、補助金申請時に市税の滞納がないこと、同一事業で市の他の補助金交付を受けていないことなどが条件となっています。
受けられる補助金内容や募集要件は公募により異なるため、ソーラーカーポートの設置を検討している場合には、お住まいの自治体の補助金の詳細をしっかりチェックすることが大切です。
また、PPAモデルを活用することで導入費用を無料化できます。PPA(Power Purchase Agreement)モデルは、PPA事業者に屋根や土地を貸与し、ソーラーカーポートを設置するシステムです。太陽光発電システムの導入から維持管理費までをPPA事業者が負担し、土地所有者は契約期間(15~20年)経過後に設備を譲渡してもらえます。
まとめ
ソーラーカーポートの設置にかかる相場と、費用を安く抑える方法についてご紹介しました。ソーラーカーポートはサイズや、搭載する太陽光パネルの性能・枚数で変わります。駐車台数が2台のカーポートの場合、一体型の設置費用は200万円、後付け型だと210万円前後が相場です。
ソーラーカーポートの設置費用を安く抑えるためには、国や自治体で実施している補助金を活用したり、PPAモデルを導入したりといった方法があります。ぜひ、ソーラーカーポート導入の一助となれば幸いです。
-
引用元:https://kamiyasunplus.co.jp/solar/
株式会社神谷サンプラスは、太陽光事業を20年以上提供し続けている会社です。
住宅に関する様々な事業を展開し、創業70年以上の豊富な実績とノウハウで多角的な提案を行います。
盤石な経営体制が可能とする、業界では珍しい無期限でのサポートが特徴です。